新年のご挨拶(ぶどう中毒①)
- 挨拶
明けましておめでとうございます。
早いもので明日はもう〝七草がゆ〟の1月7日。
お正月のご馳走に胃袋もそろそろ疲れていませんか?
かくいう私も年末に焼肉 を食べ過ぎてしまい、
完全な胃もたれに正月を持っていかれました(泣)。
明日は先人達の知恵を借りて、胃袋をリセットしようと思います。
さて。お正月の食べ過ぎ…の話題からは少し外れますが
先日の急患で遭遇し、肝を冷やした出来事をご紹介します。
それが〝レーズン(干しぶどう)の誤食〟です。
お酒のおつまみだったり、デザートだったり、パンに練りこんであったり
何かと身近にある ブドウ ですが、
実は犬にとっては極めて毒性の高い食べ物として最近は有名になってきました。
犬がブドウ中毒を起こすと、腎臓の機能に障害が起きます。
簡単に言うと、おしっこ出なくなって、食欲が無くなったり、吐いたりして
最悪のケースは命に関わります。
厄介なのは、ブドウの何が犬の体に悪い影響を及ぼしているのかがまだ特定されていないと言うこと。
つまり、中毒量も治療法もはっきり確立されたものがないのが現状なんです(一応目安の中毒量は出てますが)。
しかも、報告の上がっているブドウ中毒症例は治療の甲斐無く数日で死の転機を辿っているので
チョコレートや玉ねぎよりもよっぽど厄介なイメージになってしまいます。
今回は、10kgのシーズーが200g近くのレーズンを盗食いしてしまったケース。
人の出入りが多くなる年明けの出来事で、
外出時に机の上に出されていたレーズンを片付け忘れてしまったそう。
帰宅してすぐ、レーズンが無くなっているのに気づき、
ネットで調べたら怖いことばかり書いてあってすぐ連れて来られたのだそうです。
来院時は食べて2−3時間経ってるくらいで、
これならまだ胃の中に残ってるかもしれません。
早急に催吐処置を行いました。
すぐにこぶし大量のレーズンを吐き戻しましたが、
しかし全量には及ばなさそうです。
本人の様子は、尻尾を振ってすこぶる元気もあるのですが、
飼い主様と相談して念のため入院させて点滴を流すことにしました。
だいたい1日に数回は排尿しに行くのに、朝から1回しかしてないと告げられたのも
気がかりです。
点滴を始めてそれから5時間。
まだオシッコをしません。
こんな時、
食べるものを食べれる事、出るものを出せる事が
当たり前の事なんですけど、
それが出来なくなると動物って生きていけないんですよね。
それってすごくありがたい事なんだなぁ
と再認識させられます。
このままオシッコしなかったら・・・と、ぐるぐる嫌なことも脳裏をよぎります。
利尿剤で刺激してまた待ちます。
つづく。
この焦らされた時間を再現・・・するわけではないのですが、
新年の挨拶にはだいぶ長くなってしまったので、続きは後日書くことにします。
(もうam 2:00回りましたし明日遅刻したら大変です。笑)
最後になりましたが、
本年も三谷獣医科病院をどうぞよろしくお願いいたします。
副院長 三谷藍