狂犬病予防接種の話②
- 予防
こんばんは。
突然ですが、みなさん生涯スポーツされてますか?
生活習慣病や肥満の予防に無理のない運動を生活の中に取り入れて
健康寿命を伸ばしましょう!ってことで、私も積極的に歩くことを意識しています。
でも、歩くとこまでだったんです…今までは。
先月に高校時代の友人に誘われて、昔やってたスポーツに再挑戦する事になりました。
実は、友人と共に私の青春時代のど真ん中にあったスポーツは…ハンドボール。
サッカーを手でやるような球技って言ったらわかりやすいですかね?
現役時代は多少動けていた身体も、今やコートを軽く往復するだけで息が上がる始末(とほほ…)。
そんなわけで、今は車通勤を辞め、ゆっくりですけど走って病院に通っています。お陰で最近は片道3kmくらいはなんとか走破できるようになりました(やった!)
ハンドボールは生涯スポーツにするにはちょっとハードですが、歩いたり走ったり、たまに新しいスポーツに手を出したりしながら生涯に渉ってスポーツを楽しみたいですね!
とりあえず、今週行われるハンドボール市民大会を怪我せず楽しんで来ようと思います。
さて、前回の続きをお話しましょう。
狂犬病清浄国と謳われる日本ですが、その維持レベルの実態は非常に危ういものだと考えられます、ってことでした。
理由をいくつかあげてみましょう。
その1→清浄国になってからも再び未清浄国になる可能性。
隣の韓国では1984年に狂犬病を一度根絶したが、1993年に北朝鮮との国境沿いでイヌの狂犬病が再発生してから、流行地域と感染動物が増加して1998年以降にはヒトが狂犬病で死亡している。
また最近では2013年に日本同様半世紀以上清浄国とされてきた台湾で野生アナグマから狂犬病の感染が認められ、島国だから安全と言う通説も覆されている。
その2→動物の移動を含めた物流の多様化で高まる感染動物の国内侵入の可能性
ハワイでは1991年にカリフォルニアから寄港したコンテナ船内で狂犬病のコウモリが見つかっている。港湾施設の係官が危険を察知してコウモリを迅速にコンテナ内に隔離したため、ハワイ本土への侵入が未然に阻止された。周南地区は徳山港があり、国際船の出入りもあることから、決して人ごとではない。
またボリビアにおいて2002年にペルー産のペット用ハムスターが狂犬病を発症した報告もある。しかしハムスターをはじめとするげっ歯類には今現在検疫は行われていない事も私たちは知っておかなければならない。
その3→予防接種率の急激な低下
厚生労働省の発表によると20年前は99%だった接種率が現在75%まで減ってきている。また、この数字は届出のあった登録犬についてのみの調査であり、実質未登録犬も含めるとその数字は50%にまで落ち込むと推測されている。この接種率では万が一国内に狂犬病が持ち込まれた場合、感染拡大を防ぐ力はない言わざるを得ない。まして、野犬の頭数日本一と言う不名誉な周南地区において、予防未接種の怖さがおわかりいただけるだろうか。
参考資料→世界における狂犬病の発生状況および狂犬病侵入のリスク/厚生労働省HP
かつて日本でも1920年代に年間3500件あった発生件数を10年後には年間数件にまで激減させつつも、太平洋戦争の混乱によって予防が行き届かなくなると、途端に年間1000件に増大させてしまった苦い経験があります。
同じ過ちを繰り返さない為にも、愛犬には毎年狂犬病予防接種をお願いいたします。
平成31年度の狂犬病予防集合接種の日程が出ましたので お知らせ をご覧ください。
副院長 三谷藍