お口のニオイ、大丈夫?〜デンタルケアの話〜
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皆さん、今年のフィラリア予防は無事にスタートできましたか?
今年の春も、多くのワンちゃんの飼い主様にご来院いただきました。
特に最近はネコちゃんのフィラリア予防の相談に来られる方も多くなり
犬猫ともにフィラリア予防の大切さが浸透している事を大変嬉しく感じております。
しかし、ワンちゃんはフィラリア検査をしてからのお薬処方になります。
普段元気で病気知らずのワンちゃんも、この時期ばかりは病院にきて血液検査をしなければなりません。
上のイラストのように進んで検査に協力してくれる子は
残念ながらまだ出会ったことはありませんが(笑)
久し振りに診察台に載せられて1年前の怖かった思い出がフラッシュ バックしたのか
ガクガクふるえて飼い主さんの腕に必死にしがみ付くミニチュアダックスちゃんもいれば
むしろ「そんな昔の事覚えてないよ!」と言わんばかりに
全力で 尾っぽを振ってこちらの顔を舐めてくれる陽気な柴犬くんもいました。
動物たちのいろんな表情にいっぺんに会えるのが春の予防診療の醍醐味だと感じますね。
頑張って診察台に上ったワンちゃんには
検査用の採血と一緒に全身の身体検査も行います。
心臓の音を聴いたり、爪の長さを確認したり、皮膚の状態をチェックしたり。
その中でも私が特に気になるのは
「口臭」と「歯茎の腫れ」 といった歯周病のサインです。
3歳を迎える頃のワンちゃんの実に80%は歯周病にかかっている?
歯周病の初期症状は「口臭がクサくなる」事です。
仔犬だった頃の 口の中の臭いを憶えていますか? -答えは「無臭」です。
加齢と共に食べかすや雑菌などが歯や歯茎の隙間にこびり付いて臭いを発生させます。
放っておくと歯ブラシでは取れない歯石となってさらなる汚れの温床となります。
くっついた汚れによって歯茎が赤く腫れ、痛みや出血を伴うようになりますし
最悪の場合、歯が抜け落ちたり顎の骨が折れたり…します。
人間に置きかえて想像すると非常にショッキングな図が思い浮かびますが
こと犬猫 の 口腔内事情では一般的に見かけます…恐ろしいことに。
歯周病予防=デンタルケアは難しい?
この春も多くのワンちゃんの口の中で中程度から重度の歯周病が認められました。
6月に入ってからは歯石取りの麻酔処置の予約でいっぱいです。
気づいた時にすぐ対処=歯石取りをしてあげるのは重要です。
しかし!
もっと重要なのは、病院で麻酔をかけての歯石取りをできる限りしないで済むように
ご家庭でワンちゃんのデンタルケアを習慣化してあげる事です。
デンタルケアの必要性は重々分かっていらっしゃる飼い主さんも多い中
一方で、
「でも、なかなか歯みがきさせてくれなくて」
とお悩みの飼い主さんの声を聞くのも事実。
「どうしてですか?」と伺って実際 に返ってきた理由 を以下にご紹介します。
飼い主 A さん
「うちの子全然口を開けてくれないから歯みがきができなくて…」
飼い主 B さん
「仕事から帰ってきてからだと、なかなか時間がつくれなくて…」
飼い主 C さん
「歯みがきをしょうと 口を触ると咬みついてきて恐くて…」
さて。
上のような理由で、歯みがきを敬遠されていませんか?
これらの問題は「人間のサボりたい本心が悪い」のか
はたまた「歯みがき嫌いの犬たちが悪い」のか?
この問題の本質は一体どこにあるのか?
次回のブログではそこに焦点を当てて話をしたいと思います。乞うご期待!!
…なるたけ時間はあけないように頑張ります←追いこむスタイル(゚∀゚)
久しぶりだからついつい長くなっちゃいました(^◇^;)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
ではまた、すぐお会いしましょう!
三谷獣医科病院
副院長 三谷藍