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別れと向き合う。

  • 雑談

―ひとは数え切れないほどの素敵な出会いと共に、同じ数だけの別れと向き合いながらいきていく。

 

本を読んだ分だけその人の人生は豊かになる、とはよく聞きますが、私の大学在学中に読んだ本の数からすると、私の人生はあまり豊かなものではないのかもしれません(苦笑)

しかし不思議と図書館にはよく入り浸っていて(特に夏場は部屋のエアコン代を節約する為もありましたが)、あの私語をタブー化し、紙を捲る乾いた音や、ペンとノートが擦れ合う音、そして少し埃臭い匂いに充ちたあの空間に身を置くのは吝かではありませんでした。

そんな私ですから普段はそこで専門書の背表紙を見渡しては満足していたのですが、ある日気が付くと『…ペットロス…』と文言の着いたハードカバーの本を二冊ほど手に持っていました。

しかし正直に言うと、その本を読んだ事は憶えていても、何が書いてあったかはぼんやりとしか思い出せません。憶えていることは、そこから『救いの言葉』を必死に探そうとしていた、ということでした。

かつて、私も交通事故によるペットロスを経験しています。本来その子に与えられた寿命を全うせずにその生を終えてしまった、という事実が突き付けられても、それを受け入れられず、悲しんでいいのかも分からない。私にその資格があるのかも分からない。だけど涙は溢れてくる。息もできないほどに苦しい…。

 

あの時、自分が欲しかった言葉は何だったのか。

あの時、私は何に救われたのか。

そしてもし、これから先同じような苦しみに向き合わなければならない人を見かけたらどんな言葉をかけてあげれるのか……

 

残念ながら答えはその二冊の本の中にはみつけられませんでした。

 

 

そして命に向き合う仕事に着いて早10年。

他の業種の人と比べると、人と動物のお別れに少しばかり多めに立ち会ってきましたが、全てに納得のいく最適解はまだ見つかっていません。もちろん家族毎で事情も違う事ですし、いっしょくたにできることでもないとも思います。

それでも、私はこの仕事を続ける限りその答えを探していくのだと思います。

 

ただ、別れの悲しみや苦しみはその子を愛していた質量の裏返しであり、『君が大好き』だった事がそこに確かにあるのですから、ペットロスを感じていらっしゃる方もどうか時間をかけて俯いた顔に再び笑顔が灯り、大好きな君の想い出話ができるようになることを祈っています。

 

 

久しぶりの投稿がこんな独白文みたいな調子ですいません。夜も更けると感傷的になっていけませんね。

 

それではまた。

 

 

三谷獣医科病院

副院長 三谷藍

 

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